ShanShanの備忘録

中国生活6年目で日々思うこと

視線

 

帰国しています。

 

久しぶりの日本はさぞかし楽しいだろうとワクワクしながら帰国したが仕事に追われて楽しむゆとりが全然ない。久しぶりにお気に入りのリプトンミルクティーを飲みながらブログを書くとする。

 

さて、帰国した時感じる違和感の一つは人と目が合うことが少ないことだ。ほとんどの人がマスクをして伏し目がちに歩いている。

中国ではよく人と目が合うので、なんだがだれとも目が合わないことが逆に不思議な気持ちになる。中国では目が合うというか、ガン見されるというほうが正確かもしれない。

 

 

帰国前、スーパーに買い物にいった。一通り欲しい物を物色しカゴに入れレジまで行くとレジ付近でかなりの人がウロウロしていた。あれ?なにかあったのかなとわたしもウロウロする。レジの台数は29。さすが人口世界一を誇る中華人民共和国のレジである。しかし、それだけあるレジが一つも開いていなかった。どこに行けばいいのか分からない客たちがわらわらと集まり、『開けろ―!』とか『なんでやー!』とか叫んでいる。

それでも従業員は気にする感じもなく、お金回収袋のチャックを開けわざとではないかというくらいゆっくりお金を入れていた。

 

客は毎度のことながら腹からの太い声で叫びながらも、しばらくすると、いつか開くやろという諦めた感じで閉まっているレジに並ぶのである。わたしも彼らに続き、開かないレジにおとなしく並ぶ。どこが開くかは賭けみたいなものである。とにかく自分がここだと思うところに並ぶのだ。

 

さて、後ろのカートに時々こつかれながら並んでいると、なんだか強い視線を感じる。嫌な予感がするので振り向かず横目でチラッと確認すると、隣のおじさんがこっちをガン見している。こういう時は振り返ったら負けだ。おじさんの熱い視線を無視しひたすら並んでいるレジが開くのを祈りながら待つのである。こういうことにももう慣れてしまった。

  

日本に帰ってくるとなんだかほっとする。だれにもガン見されない生活。電車に乗ってもみんなスマホを見ている。わたしはまだ日本の携帯を作っていないので電車の中で暇になり何をしていいのか分からなくなってしまうのだが今日気が付いてしまった。窓の外の景色を見るのも飽きた頃ふと他人の顔をじっと見つめている自分がいることに。

 

しかしたとえ目が合ってもみんな何事もなかったかのようにすっとそらしてくれるので安心なのである。

 

中国生活は刺激的でおもしろいが、日本はやっぱりわたしをほっとさせてくれる場所だとこんなところで実感してしまっている。