ShanShanの備忘録

中国生活6年目で日々思うこと

待つ

 

世の中にはいろんな人がいる。

それぞれがいろんな考え方を持っている中で、最近特に気に入っている考え方がある。

 

欧米人の友人たちを見ていて気付いたことである。

彼らとレストランで食事をした時の事、料理を注文する際当然席から店員さんを呼ばなければいけないのであるが、彼らは「すいませーん」と言って店員を呼びつけない。店員さんをじっと見つめ目が合ってから初めて「注文いいですか?」と聞き注文するのである。店員の手を止めることは極力しない。

 

仕事の時、彼らは質問がある時でもわたしの手が空くのをじっと待っている。仕事に没頭していて前に立っている彼らに全然気づかないわたしを気長に待ちつづける。ふと何気なく顔をあげると、ニコニコした顔で「手を止めてごめんね。ちょっといいですか?」と聞いてくれるのである。いつからそこにいたんだろうと申し訳なくなるのである。

 

コンビニに一緒に行っても店員の手を止めることはしない。

レジに行って店員がいないなら気長にそこで待ち続ける。以前のわたしなら「すいませーん」と呼びつけてお会計を当然のようにしてもらっていただろうなと思うのである。

 

お客様は神様という考え方が無意識のうちに刷り込まれている自分に気づく。しかしわたしは神様ではなく、ただの人であるし、コンビニの店員さんもレストランのウェイターさんも一人の人であって奴隷ではない。仕事をしている人の手を止めて呼びつけることは、あなたの手を止めてわたしのことを優先しろと言っているようなものなのかもしれないなと彼らを見て気づかされたのである。

 

いやいや、それが日本のサービス業だ。という考え方もあると思う。

しかし、わたし個人としては、相手がどんな人であっても一人の人として敬意をもって親切に接するというこの考え方がとっても好きだ。

 

だから今日も、一生懸命からあげをあげているコンビニの店員さんをそっと見ながら、リプトンミルクティーの大きいパックを小脇にかかえレジ前で静かに待つのである。