ShanShanの備忘録

中国生活6年目で日々思うこと

距離感

 中国人の距離感に戸惑うことがある。

まず道を歩いていると、よくぶつかる。別に狭い道を歩いている訳ではない。十分ゆとりをもって歩いているつもりだ。こちらが危険を感じ立ち止まっても向こうから突進してぶつかってくるのだ。

相手はぶつかって初めて驚いている。

『いやいや、あたし歩いてるのん分からんかったん?』と聞きたくなるのである。

 

日本で人とぶつかることなんてまずない。

反対から歩いてくる人を自然と認識し壁側に少し寄ったり、反対側にわざわざ横断してなるべく距離を取ろうとする。

渋谷のスプラングル交差点であんなに人が縦横無尽に道を渡っているのにめったにぶつかることがないのは日本人の得意技なのではないかと思う。

 

帰国した時、日本の家もマンションなので毎日エレベーターを使う。しかしわたしがすでにエレベーター前で待っていると、ほとんどの人がサササっと素通りして階段を使う。結構重たそうな荷物を持っている時もである。つまり一緒に乗りたくないのだ。気持ちは分からなくもない。狭い空間に他人といる時間が気まずいのだ。分かる、分かるけど、でもその荷物なかなか重たそうですよ。と心の中で後ろ姿に話しかける。

 

さて、中国でもエレベーターを毎日使う。昨日エレベーターに乗って下に降りていた時、階下の住人が途中で乗ってきた。20代前半くらいの女性である。もちろんあいさつなんかしない。それは別にいい。

わたしはエレベーターのボタンの前に立っていた。各階の数字と開閉ボタンが並んでいるあの場所だ。彼女は乗り込んできた瞬間、なんとわたしとボタンの間の狭い隙間に入り込んできたのだ。え?なぜ?エレベーター内は二人。他にスペースはいくらでもある中、二人の女がボタン前で整列した形になったのだ。彼女のポニーテールがわたしの顔にかかっている。もうかなり違和感である。彼女はわたしの違和感に気づくこともなくそのまま一階までそのポジションをキープした。

人との距離感はどうなっているのだろう。彼女にわたしは見えていないのだろうか。

 

必要以上に人との距離を保とうとする日本人、周りに人は存在していないかのようにパーソナルスペースにぐいぐい侵入してくる中国人。客観的に見るとどちらもおもしろい。でもわたしは日本人、やはり中国人の距離感は全く理解できないのである。

 

わたしを含めやや対人恐怖症ぎみの日本人、だけど満員電車には乗れるのだ。

もちろん、みんな好き好んで乗っているわけじゃないけれど外国の人から見るとこちらの方が不思議らしい。

 

重い荷物を持って階段を選ぶ人も満員電車には乗るんだろうか?とちょっといじわるに考えてもみるのである。