外側重視!
ロシア人の友人がいる。女優さんみたいでとてもかっこいい。彼女の夫が何の仕事をされているのかよく分からないが、彼女は最近仕事を見つけた。英語教師である。
彼女は英語が話せるが、ネイティブではないことは聴いたら分かる。外国人の話す英語だ。それでも彼女はこの仕事を見つけて来たし、雇っている側も満足そうな感じである。
以前、韓国人の友達が言っていたことを思い出す。
彼女はオーストラリアで育った。彼女の英語はネイティブだ。親とは韓国語で話すが、弟や妹とは英語で会話するそうだ。
彼女が中国で仕事をしていた時、ホテルの従業員に向けての英語教育に携わっていた。さぞかしいい仕事なのだろうと思っていたのだが、給料が安いとぼやいていた。
めちゃくちゃな英語を話すスペイン人の方が高い給料をもらっていたらしい。
青い目の白人だからである。
必要なのはTOEICの点数ではなく英語が話せそうな外見なのだ。
こう書いていて北京オリンピック開催時のニュースを思い出した。
「鳥の巣」スタジアムに向かうメイン道路から見たら立派な建物が並んでいたのだが、裏側に回ると立派な建物に見えていたものは張りぼてだった。外側重視にも程がある。
時々建設中の建物に出くわすが、観察すると煉瓦と竹のようなもので作られている様子。もちろん鉄筋も使っていると思う。そう信じたい。
けど、工事を始めたと思ったらあっという間に立派な建物が完成してしまっているのだ。外側はよくできている。内側に関しては考えないようにしている。
わたしが住んでいるマンションもいつか倒れるのではないかと思っている。
窓には隙間といっていいのか分からないほどの大きな隙間があり、閉まっているはずの窓のカーテンがいつもひらひらと揺れている。
一年前から目の前で地下鉄の工事が進んでいる。
だいぶ慣れてきたが大きな音を聞くとマンションが傾くのではないかとやっぱり心配になるのである。
それでも窓からの景色は最高。不安な気持ちに蓋をしてカフェオレを飲みながら海を眺めるのである。