ShanShanの備忘録

中国生活6年目で日々思うこと

インナーマッスル

 

またバスの話。

 

バスに乗っていて感心することその2。中国人たちのあの微動だにしない車内での姿勢である。運転も荒いし、道もボコボコなので、体が文字通り宙に浮くこともあるくらいなのだが、中国人たちはほとんど動かないのである。道なんてボコボコじゃないかのようにすました顔をしている。

 

そんな彼らのそばでわたしはもうえらいことになっている。もちろん手すりを持つのだが、持っていてもその手すりを軸にグルンっ!と身体をもっていかれてしまうのである。

どんなにふんばっても彼らのようにはいかない。

 

わたしはドジではあるが運動神経は悪くないと思っている。体育の成績は砲丸投げを除けば結構よかった。

 

なのに今ではバスが止まったり走ったりする度に周りの人にとっても迷惑をかけている。どうやってもグルンを避けられないのでみんなにごめんねとあやまりながらである。こないだは、席に座ろうとしていた時にグルンとなり、おっさんの膝に倒れ込んでしまった。おっさんはめいわくそうにわたしを払いのけたが、背中を押された形になったのでおかげさまでわたしの体はそのまますっと座席に収まった。

 

中国人の体どうなっているんだろう。体幹がハンパない。小さいころから乗っているからだろうか。彼らを見ているとわたしは日本社会に甘やかされて育ったんだなぁと思ってしまうのである。

 

 

先日わたしは辺鄙なバス停で降りた。初めての人はそこがバス停だとは分からないであろうほどの辺鄙さである。わたしの他にはだれも降りないのでバスは完全には止まってくれない。スピードは落としてくれるが、走ったままドアが開くのだ。えいっと降りるのであるが、降りようとしたところが蓋のないマンホールだった。

とっさの判断でギリセーフ。地上に着地できたのである。誰も見ていなかったが、ひとりで『おぉーセーフ!』と嬉しくなった。マンホールをおそるおそる覗いてみるとなかなかの暗闇である。みたところ2,3メートルはありそうだった。フタをしてくれよと思うのであるが、誰に文句を言ったらいいのか分からない。

 

バス車内ではグラングランであるが、いざという時わたしの運動神経は頑張るのである。インナーマッスルはないかもしれないけれど、身を守るための最低限の装備はまだあるようだ。