ShanShanの備忘録

中国生活6年目で日々思うこと

ホームレス

 

この街は国際都市と巷で謳われているだけあって割と民度が高い。

街並みもキレイだ。最近、「そういえば!」と気が付いたことなのだがこの街ではホームレスを見かけない。

 

以前住んでいた長沙ではこのホームレスがあふれていた。どこにいてもお金を要求され、かわすのがちょっとめんどうくさかった。マクドナルドで座っていると銀のお皿を顔の前に突き付けられボソボソと「お金ちょうだいちょうだい」みたいなことを言ってくる。バスを待っている時もまとわりつかれることがしょっちゅうである。中国人によると彼らは意外とお金を持っているらしい。

 

 

観察してみるとみんなあの手この手でお金を稼いでいる。

軍服を着てどれだけ自分ががんばってきたかを書いた紙や写真を足元に置きただ突っ立っている人。

道の真ん中で布団をひき、そこに寝て『病気やねん・・・』て訴えてくる人。

病院の前で血を流して治療費をねだる人。それだけ血出てたらもうアカンでっていうくらい頭に巻いた包帯から血が流れているのだが、よく見たらマジックか絵の具かで塗られているため変色して朱色になっていたりする。完成度低いねんとつっこまずにはいられないのである。

心が痛いのはこどもを利用したもの。かわいそうで書く気にもならない。

 

 

わたしの中ではホームレスといえば西成である。以前頻繁に通っていた時期があって衝撃的な光景をよく目にしていたので中国のホームレスにも免疫があったのである。

 

ある日、西成のディープな界隈を歩いていると派手な着物柄のチョッキ、またの名をベストを着た、顔面に白い粉みたいなのを塗っているホームレスのおっちゃんと目が合った。なんかまたオリジナル感がすごいなと思って見ていたのだが、おっちゃんはわたしと目が合った瞬間、『!!!』と何かをひらめいたように隣のゴミ箱から何かを取り出した。出てきたのは30センチくらいの日本人形だった。左手に日本人形をスッと立たせ、それから真顔で問うてきた。

 

『いらん?』

 

いらんわ!汚いゴミ箱からおもむろに出してきたん一部始終見てたし。

あまりの不意打ちに『ちょっと今はいらんわぁ』と普通にしか答えられなかったのが悔しい。

 

そういうおもしろい事がここではあまり起こらない。暮らしやすいし一人海外生活にはピッタリの街なのだが時々物足りなさを感じてしまったりするのである。

 

日本人形のおっちゃん元気にしてるかなぁ・・とふと気になってしまうまったりした中国の春節