ShanShanの備忘録

中国生活6年目で日々思うこと

アイドルとマネージャー

 

正月6日目。

いい天気である。三が日を過ぎて通常運転に徐々に戻ってくるだろうというわたしの予想に反し全然戻らない。周りの小売店はずっとしまっているのにもかかわらず街には人があふれていて静けさはまるでない。バスはまずまずの人で座れないこともしばしば。正月の静けさはないのにお店は開いていないといういいとこなしの日々を送っています。

 

 

さて、友人たちの多くはまだ仕事が始まっていないようでこの一週間で毎日のように会っている。

彼らは白人であるので一緒に歩いていると不思議な体験をするのである。

 

他の都市のことは知らないが、ここの中国人たちの多くは欧米人を見るととにかくガン見である。(もちろん礼儀正しい中国人もいるが)もうその失礼っぷりたるや突き抜けている。そんなにあからさまに見る?というくらいとにかく見る!通り過ぎると会話を止め振りかぶって二度見する。見るにしてももうちょっとこっそり分からないようにできないものだろうか。

 

動物を見るかのようにこんなにジロジロ見られたらさぞかし居心地が悪いだろうなと思うが、友人たちは気づかないフリか逆に手を振るかで対処している。できたアイドル。

 

とくに大学生たちは西欧人を見たら果敢に英語で話しかける。中国人の英語より友人たちの中国語の方が、はるかにレベルが上なのに臆することなく挑む。

しかし英語を話せないロシア人にも英語。『英語分からないから中国語で話して』とロシア人の友人がお願いしても英語で話し続けていた。全然聞いてない。彼らはいったい誰と話しているのか。空気に話していることにいつ気づくのか。

 

そこでアジア人であるわたしの出番である。『あのー、彼らには中国語で話してあげて』と話すと彼らは我に返る。わたしはずっと横に立っていたのだが中国人の目にはもう西欧人しか映っていないのでわたしの登場に少々驚いていたりする。あ、おったん?みたいな目で見られるわたし。

 

そして通訳してと言わんばかりにわたしにいろいろ聞いてくるのである。

大学生はわたしの方を向いて彼らに質問するので、わたしは中国人の大学生が中国語で話したことをそのまま中国語で友人に伝える。友人はわたしに向かって中国語で答え、わたしは友人の中国語をそのまま中国人に伝える。

 

なにこの状況?こんな滑稽なことある?

 

『いや、わたしも外国人やし、彼らは中国語話せるから自分で聞いて』と言いたいが、友人もこの状況をニヤニヤと楽しんでいる。アイドル顔負けの笑顔でさわやかに対応しているのでわたしもよく分からないが付き合うのである。そして話を適当に切り上げて『そろそろ行こう』と友人に促すわたしはもう彼らのマネージャーである。

 

その場を離れ、友人は笑顔でわたしの肩をポンポンと叩き『お疲れ―』とねぎらってくれるのである。

本当にお疲れなのは毎日奇異な目で見られているアイドルたちであろう。