ShanShanの備忘録

中国生活6年目で日々思うこと

プライバシー

 

先日インフルエンザにかかった友人もすっかり回復したようで本当によかった。ここ中国で病気になるのは日本で病気になるのとはわけが違う。

 

ここで病気になるのをわたしは極度に恐れている。大量の薬を持ってきているし、少しおかしいなと思ったらすぐに風邪薬をのみ、ホットはちみつレモンをひたすら飲むのである。あまりの恐怖で免疫力に頼らず薬に頼りまくっているので免疫力低下が懸念されるのだが、そんなことは気にしない。わたしは中国の病院が怖い!

おかげさまで日本でさんざん病院にお世話になり、もしかしたら医療保険の元を取っているかもしれないほどのわたしもいまのところ中国で病気になったことがない。

 

そのせいで中国の病院事情をほとんど知らないのであるが、先日インフルエンザになってしまった友人が病院に行ったというので興味本位でついつい聞いてみた。想像以上にひどかった。

 

まず高熱のある人は病院の一般病棟にすら入れない。隣に発熱患者専用棟みたいなのがあるらしいのだが、そこに医者が座っていてそこで問診を受けるらしい。順番が来るまで並ぶのであるが、もちろんイスなど用意されないので立って待つのである。高熱なのに座ることすら許されない。中国の病院に行くという決断をするくらいなのでよほどしんどい状態であるのに、まるでアイドルの握手会に来たかのように並ばされるのである。(行ったことないけど)

 

そしていよいよ問診が来てフラフラの頭で中国語で答えなければならないが、ふと横を見ると後ろに並んでいるはずの人が自分の真横に立っている。そして付添いの家族のように自分が診断されるのを聞かれるのである。聴診器を当てられる姿もおじさんおばさんやそこらへんにいるすべての人にさらす。ヘタすれば、野次馬と化したおじさんたちが次々と意見をいい、医者を差し置いて診断してくださることもあるらしい。プライバシーなんてあったものではない。

 

と書いていて突然思い出したのであるが、以前中国の病院に行ったことがあったんだった。といっても自分の病気ではない。中国人の友人が付いてきてと言ったので付き添ったのであった。精神科である。なかなかユニークな体験であったのでこれもまた後日書くこととする。が、そこでもプライバシーという言葉を知らないのではないかというくらいめちゃくちゃな対応であった。

 

中国語ではプライバシーは“隠私”と言う。言葉があるので概念もあると思われる。

 

隠私・・・全然隠せていないのである。私を全然隠せていない。

 

ここでうちのマンションのエレベーター前の写真をご紹介する。

 

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この青い紙、電気代滞納してますよというお知らせである。何○何号室の誰々さんが何円滞納しています。とバーンと張り出されてしまっている。

 

隠私。どこにいったんでしょうね。

 

そして、中国の子どもたちが着せられているおしり丸出しの服。あれなんかもう究極である。一番隠さなきゃいけないところを隠せていない訳で、そこを隠さないなら他にどこを隠す必要があるのかと問いたいくらいである。それを考えると隠私の定義とはなんであるかみんなに聞いてみたい衝動に駆られるのである。

 

今のところ似非合理主義に完敗している隠私、いつか勝利する日が来るのであろうか。