ShanShanの備忘録

中国生活6年目で日々思うこと

炊飯器

 

ここ何日かちょっとした風邪をひいていた。

 

ずいぶん前から友人たちに指摘されていたのだが自覚するのが少し遅れてしまってバタンと倒れたもようである。

ウイルス性ではなく疲れかストレスが原因なので一日寝たら普通に動けるようになったのだが、味覚が戻らないせいか料理の味付けが濃くなったと同居人からご指摘をいただいていてまだ完全復活はしていないのかもなと思っているところである。

 

本調子ではないがいつものように一日働いて家に帰っていつものようにごはんを炊いた。炊いたと言っても炊飯器がである。

うちの炊飯器、日本の炊飯器と違いスタイリッシュさは全くない。昔ジャーと呼ばれていた頃の形をした炊飯器である。しかし、圧力で炊くのでまあまあ美味しいし、他にスープやお粥やケーキも作れるようだ。が、お米のボタンしかわたしは押したことがない。

 

さて、この炊飯器どうやら人を見るようである。

わたしが炊くと4割くらいの確率でおこげみたいなカチコチのごはんが出来上がる。下の方はカリカリでパサパサ。色も茶色くなっている。かろうじて中央の上の部分だけちょうどいい感じのごはんがお茶碗二杯分くらいできる。三合炊いてお茶碗二杯分のごはん。お米の消費量が半端ないのである。

しかし中国人同居人ふたりはこの炊飯器を操っている。彼らが炊くごはんはちょうどいい塩梅である。この気まぐれな中国の炊飯器を手の上で転がしているのである。なにが違うのか?観察してみたがわたしがやっていることと大きな違いはない。強いて言えば、中国人たちは水道水でお米を研ぎ、わたしは買ったお水で研いでいるということだけである。水の量も間違っていないしボタンを押し間違っている訳ではないのにこの結果である。

 

今日はいつも以上に気合を入れて炊いた。今日は豚汁を作ったので絶対おいしいごはんと一緒に食べたい。目を凝らして、見えにくいメモリをケイタイのライトを当てて見ながら水をきっちり入れた。これで間違いないだろう。今日は4割の確率で登場するおこげではなく6割のおいしいごはんの方に絶対出会いたい。

 

そんな切実な願いもむなしく、中国の炊飯器が今日わたしに提供したのは今まで一度も出たことのないベチャベチャなごはんであった。最悪おこげなら豚汁に入れてふやかして食べようと思っていたが、まさかのベチャベチャであった。どうしてこんなことになったのか不思議でしょうがない。なぜなのか、何か間違ったことをしたのか数少ない工程を頭の中でリプレイしてみるが分からない。

 

しかし病み上がりのわたしにはこれくらいのベチャベチャ感があった方がいいのかもしれない。しょうがたっぷりの豚汁とお粥ともいえるごはんをいただくことにする。

 

ある意味空気をよむ、使い手を気遣う炊飯器なのか。

いやいや、勝手なお気遣いはやめてほしいものである。