ShanShanの備忘録

中国生活6年目で日々思うこと

ライター

 

帰国の際、十分時間の余裕をもって空港に到着したはずが飛行機に乗るのはギリギリだった。

 

チェックインカウンターはもうすでに長蛇の列。めずらしくほとんどが日本人だった。何かを待つという行為に結構慣れてしまっているわたしはなんの感情もなくそこに並ぶが、日本からの団体旅行客と思われる人たちは「なんで動けへんの?」と言いながらイライラしていた。彼らのイライラを見て、あぁ日本に帰るんだなと実感する。

 

長い列を抜け、税関ではビザの関係で足止めをくらい、やっと荷物検査のところに来るとまたもや長蛇の列。列の先頭では、なにやら日本人の50代くらいのサラリーマンたち数人と空港職員がもめている。彼らの荷物はエックス線を何回も通らされている。どうやら持ち込み禁止の物を入れてしまっているらしい。液体物かカイロとかかなと思いながらわたしは自分のパソコンをカバンに入れなおしていると、「見つけた!」と職員が叫ぶ。

 

出てきたのはライターだった。

タバコの箱の中に入れていたようで探し当てるのに時間がかかったようである。

 

目を疑う。

ライターって。。。絶対アカンやん!

 

しかし彼らは取り上げられたライターを見つめ、「取り上げんのかいな?ほな、どうやってタバコ吸うねん。」と日本語で文句を言い続ける。

 

スーツ姿だったのでおそらく出張で来たのだと思う。

ライターが持ち込み禁止であることを知らなかったのだろうか。仕事の事で頭がいっぱいで何を機内に持ち込めるのか事前に確認することができなかったのだろうか。彼らは日本人なので当然日本から来たはずで、飛行機に乗って来たと思うのだが、行きの飛行機では持ち込んだのであろうか。不思議でたまらない。

 

「ほんまにこれやから中国は。」と捨て台詞を吐きながら去っていく男性たち。

わたしは唖然としながら荷物をまとめ、肩をすくめる職員と目があったのでご苦労様と声をかけ登場ゲートに急いだのであった。

 

自分が知らないことを知らないのが一番怖いと思う。