優先順位
先回、台風の爪痕について書いた。
今もいろんなところで台風の事を思い出させてくれる残骸を目にする。
たとえば目の前の道には今でも電線が垂れ下がっている。
上を見上げるとまっすぐ伸びている線から枝分かれして道路に垂れてしまっているのである。これさわったら感電するのだろうかといつも思いながら通り過ぎる。
折れた電柱も道の端っこにバーンと置いてあったりする。
近くの会社の門は大きくカーブしたまま中が丸見えで門の役目をはたしていない。
だからと言って誰も騒がない。
電線が垂れ下がっていようが、無いとは思うが仮に感電しようがそれはその人の不注意なのである。自己責任である。自分で危険を予測し自分で回避しなければならないのである。
危険予測という能力はここ数年で鍛えられた。
ありがたいことである。
ボーっとしていると小さいころから言われて育った。バナナの皮が落ちていれば見事に踏んですべってしまうような子だった。
こけることもしばしば。階段の一番トップからすべり落ちたことも数回。
それでも笑って過ごしていた。
なんといってもそこは日本。病院もある。くすりもある。どうにかなるのである。
そんなわたしが笑えなくなったのは中国で暮らし始めてからである。
油断をしたらヘタすれば死である。おおげさではない、マジです。友人の友人はバスを待っている時バスのサイドミラーと接触し亡くなった。
話がそれてしまった。
言いたいことはそんなことじゃなかった。
昨日突然街に銅像が現れた。
結構手が込んでいるがセンスが絶望的に悪い。
まぁ、いい。センスって何?て聞いてきそうなお国である。だからちょっと邪魔やけどまぁいい。
けど、その前にやることあるやろ。と突っ込まずにはいられないのである。
それやる暇があるなら電柱や電線を先にどうにかしてくれと思うのである。
どう考えても、先にやるべきは、そのセンスの悪い銅像より電線だと思う。
センスの悪さも笑って流します。危険予測も頑張ります。警戒心アラームもマックスにして道を歩きます。スローな復興も文句言わず双眼鏡片手に楽しみます。
でもこれだけ言わせてください。
電線の方が先!!!
以上!