中国のゴキブリ
これまた“中国の”と一括りにしていいのか分からないが、書きたくなったので書いてみる。
先ほど、トイレに行ったらゴキブリがあおむけになって動かなくなっていた。
あ、またか。とティッシュを手にして彼をゴミ箱へと送る。
ゴキブリは足が短いのであおむけになってしまったら自分でどうにもできなくなってしまう。それで息絶えるのではないかと思う。
こんな光景日本で見たことなかったのであるが、中国ではしょっちゅうである。もう、毎日見ているといっても過言ではない。(たぶん過言。)
とにかくほんとに誰の手も煩わさず勝手に死んでくれているのだ。
なぜなのかさっぱり分からない。別に薬を置いている訳でもない。
たまに生きているゴキブリを見かけることがあるが、とても軽快に動いている。
捕まえようにもゴキジェットがない限りやはり難しいのだ。
このすばしっこさの点から言えば日本で出会っていたゴキブリとなんら変わりはないように思える。
なのにあおむけで死亡している。バカなのか?
考えてみれば日本にいるゴキブリより少し小さい気がする。種類の問題なのかもしれないが、もう一つ理由を思いついた。
大きくなる前に、あおむけになってしまうなんらかの悲劇が彼らをおそい息絶えてしまうのだ。
だからわたしの前に現れるゴキブリはみな小さい。
ここは中国、人間の世界でも確かに日本より悲劇に遭う確率は高い。
だからこそ、わたしは警戒心が強くなった。そして心配性にもなった。
身を守るためだ。中国人がある面たくましいのもこういう環境に鍛えられたからだ。
ゴキブリたちの世界でも中国はなかなか過酷なのではないか。思いがけずあおむけになってしまうトラップがたくさんあるのだろう。
それでも人間は警戒心やら心配性になったりしてトラップの多い土地でもたくましく生きていくのである。
ゴキブリはやはりゴキブリ。心配性にはなれないのである。