ShanShanの備忘録

中国生活6年目で日々思うこと

あやしい女

 

18才でカナダに行った時降り立った空港でいきなり黒人女性に呼び止められた。

 

初めての海外一人旅だった。

パスポートと申告書を片手に重いスーツケースをゴロゴロ転がしながら流れに沿って歩いていると空港職員に呼び止められ尋問が始まった。

 

あやしいと思ったのか連れて行かれ大きなテーブルがバーンと無造作に置かれた部屋に通される。

 

『誰かから何か預かってない?』

『カバンの中身は?』

『一人で三か月?クワイトロングね。』

 

スーツケースもひっくり返され、母と必死になって詰めた荷物をバラバラにされた。

もちろん怪しい物なんて持ってないので解放されたのであるが、うまかっちゃんを一つだけ入れていたのを見られたのが妙に恥ずかしかった。バラバラにされた荷物は自分で入れ直し、連れ込まれた部屋から見送られることなく一人で後にした。

 

それからも海外に出かける時はかなりの確率で呼び止められる。

そして荷物を開けられ一人で部屋を後にする。人の荷物を開けたならちょっとくらい“ごめんね感”を出してもいいと思うのだがそんな空港職員を見たことがない。

 

最近友人が日本に帰国した。ピンセット事件の友人である。

彼女も女一人で帰ったのであるがこの度スーツケースを開けられたらしい。

分厚いダウンを来ていたので汗をかいていたのがいけなかったのだろうか。

何か預かってないかしつこく聞かれ、いいえと答えても信じてもらえなかった。

スーツケースの中に入っていたのは彼女が手塩にかけて作った干し柿

日本で買うとまあまあするのでせっせと作って持って帰ってきたらしいのだが果物と判断され没収。えらく悔しがっていた。

 

女性がひとり海外で行動するのは怪しいのだろうか。

何回も呼び止められ経験を持つわたしは、呼び止めてきそうな人を嗅ぎ分けれるようになりその人のところには並ばなくなった。

 

この友人の話を聞いて、今もその嗅覚が衰えてないか頭の中で確認をするのである。

 

まだ大丈夫そうである。