ShanShanの備忘録

中国生活6年目で日々思うこと

レモンティー

 

先週くらいから空気が春のにおいになり、風は生暖かくいいお天気が続いていた。花粉症のわたしは鼻をむずむずさせていたのだが、今日は雨が降り急に寒くなって慌てて冬のコートを引っ張り出してきた。

気温がグンと冷えて体もびっくりしているに違いない。

 

 

今日もバスに乗りバタバタと移動していたのだが、後部座席で資料に目を通していたせいか珍しく少し気分が悪くなってしまった。リバースするほどではなかったが、なんだがムカムカするのでさっぱりした飲み物でも飲みたいなぁとジュース屋さんに立ち寄った。

 

頼んだのはレモンがまるごと一個入ったレモンティー。サイズは迷った挙句お得な特大サイズにした。『今日は寒いから温かいのにしてね』と頼みおつりとレシートを手にしてレモンティーを待つ。とても急いでいたのだが幸い待っている人はいない。1分もしないうちにレモンティーが出てきた。『ここで飲みますか?持ち帰りますか?』と聞かれ『持ち帰ります』と答えるわたし。笑顔で袋に入れてくれる店員さん。

『ありがとう』と言いながら袋を受け取るわたし。店を後にし、バス停に走るとちょうどバスが来ていて飛び乗った。

 

先ほど最後部で気持ち悪くなったせいもあってちょっとだけ前の方に座る。やれやれと荷物を膝に置いた途端、何か冷たい感触が。濡れた折りたたみ傘は床に置いたはず。

膝の上を確認するとさっき買ったホットレモンティー。

ホットレモンティーのはずがそこにあるのは氷がアホほどいっぱい入ったキンキンの超冷たいレモンティーであった。

 

うそでしょ。こんな寒い日に氷がこんなにいっぱい入った冷たすぎるレモンティーを欲する人がどこにいるというのか。しかも特大サイズ。わたしは確かに『温かいのにしてね』と言った。冷たいものを頼んだ時は必ず『氷入れますか?抜きますか?』と聞いてくれるお店であるので、決してわたしが言い間違った訳でも発音が悪くて相手が聞き取れなかったわけでもあるまい・・・

と膝の上にある特大サイズのレモンティーをボーと見つめながら振り返る。

 

すごく悲しい。ただただ悲しい。

わたしの口はホットのレモンティーを欲していた。車酔いと冷えをレモンティーで解決するべく16元払ったのである。はぁ、悲しすぎる。

 

ところが、腹はたたないのが不思議。日本で同じことをされていたら以前のわたしなら腹を立てていたのかもしれないが、ここでは腹が立たないのである。こういう事がしょっちゅう起こる事を知りながら確認しなかった自分を責める。ある意味わたしのミスなのである。

 

この悲しい出来事を誰かに言いたくて速攻日本の友人に報告したら、『私は腹立つ!慣れってすごいな。』と言っていた。

 

腹が立たないことは成長なのか、それともなにか大切なものを失ってしまっているのか分からなくなってしまった中国生活4年目の春。

 

そんなことを考えながら、冷たすぎて普通にカップを持てない為、親指と中指だけでカップの上部をもち顔をしかめながらキンキンのレモンティーをすするのであった。